18 ついに開頭オペです
とりあえず、緊急事態はまぬがれて、ホッとした顔で、ものすごく早朝に主人がICU室に来てくれました。
落ち着いて寝れなかったのかな…
私たちは、今日だけは、最後になるかもとは絶対に言わないようにお互い心に決めているようでした。
冗談ばっかり。
「行ってくるねw」
「行っておいでw」
それだけ…。
再び、オペ室へ。
オペ室のドクターや看護師さん達がざわざわ準備されてます。
「〇〇さん、よく頑張ってます。〇〇さんは強いです。私だったら逃げたくなります。今日も一緒に頑張りましょうね」
などと、今初めて会った看護師さんに言われたのに、すごく心にしみました。
看護師さんは、カルテを見て私のことをよく知ってくれてました。
「〇〇さん、ブレスレットのお守りは、〇〇さんが、麻酔で寝たら、頭の近くに置いておきますね」
「はい。お手数おかけします。
よろしくお願いします。」
ありがたい…。
生年月日と名前を言った後、心の中で、
「もどるから」
と言いました。
ギリギリまでこの目で、オペをみておこうと強く思いましたが、うかつにも、序盤も序盤で…
記憶はそこまで。
私のオペは、頭の後頭部を首まで切り、頭蓋骨を切って一度外して、奇形部分を取り除き、髪の毛ほどの途切れた血管を縫い合わせて、頭蓋骨をもどし、切った後頭部を締めるというものです。
聞いただけで、気を失いそうです。
およそ8時間、私だけではなく、オペ室ドクター、控え室で待ってる家族、気になりながら学校にいる子どもたち、日常を過ごしながら離れたところで、手術の成功を願ってくれている大切な人たち、みんな一緒に乗り越えてくれました。
目が覚めたら、病棟のナースステーション横のお部屋。
私は目を覚まして、主人と目が合ったら、
「ど、どなたですか?」
と冗談を言う予定でした。
みんなに声をかけられ、目を覚ましました。
第一声は、
またうかつにも
「頭痛い…」でした。
ふざけることすらできない激痛に恐怖を感じました。
見届けた家族は帰りました。
もうろうとしながら、手だけふりました。
痛い。
痛い。
痛い。
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